※本記事にはアフィリエイト広告が含まれています。
「親の預金を、そのまま相続しても大丈夫?」
「生命保険には相続税の非課税枠があると聞いたけれど、いくらまで?」
「一時払い終身保険をすすめられた。わが家にも必要なの?」
そんな悩みはありませんか。
親のお金をどう引き継ぐか考え始めると、保険や贈与の話が出てきます。
でも、商品を選ぶ前に確認したいことがあります。
相続税がかかる見込みがあるか。
今ある生命保険で非課税枠を使っているか。
そして、親がこれから使うお金を十分に残せるか。
生命保険の死亡保険金には、条件を満たすと「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。
ただし、保険に入れば誰でも節税になるわけではありません。
この記事では、金融機関で28年間働いてきた黒豆柴が、生命保険を相続に活用する際の確認点を整理します。

保険の説明を聞く前に、わが家に必要かを知りたいんだゾ!

まずは相続税の基礎控除と、死亡保険金の非課税枠を分けて考えよう。
相続税対策の前に、わが家に相続税がかかるか確認しよう
相続税には、次の基礎控除があります。
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
たとえば、父が亡くなり、法定相続人が母と子ども2人なら、人数は3人。
基礎控除は4,800万円です。
| 法定相続人の数 | 相続税の基礎控除 |
| 1人 | 3,600万円 |
| 2人 | 4,200万円 |
| 3人 | 4,800万円 |
預貯金だけで判断せず、自宅の土地・建物、有価証券、死亡保険金なども確認します。
借入金や一定の葬式費用、税務上加算する贈与なども計算に関わります。
相続税の対象となる財産が基礎控除以内なら、相続税の節税を目的に保険へ入り直す必要性は小さくなります。
土地や建物は、売れそうな価格をそのまま使うわけではありません。
自宅がある場合や基礎控除に近い場合は、税理士に相続税評価額を確認すると判断しやすくなります。
※法定相続人の数え方には、相続放棄や養子についての税務上のルールがあります。
生命保険の非課税枠は「500万円×法定相続人の数」
亡くなった人が保険料を負担していた死亡保険金を、相続人が受け取る場合、一定の非課税枠があります。
死亡保険金の非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数
先ほどの母と子ども2人の例なら、限度額は1,500万円です。
死亡保険金1,800万円を受け取る場合の例
父が保険料を全額負担し、父の死亡により、相続人である子どもが死亡保険金1,800万円を一時金で受け取るとします。
ほかに死亡保険金がない場合は、次のように整理できます。
| 項目 | 金額 |
| 死亡保険金 | 1,800万円 |
| 課税限度額(法定相続人3人) | 1,500万円 |
| 相続税の計算に含める部分 | 300万円 |
300万円は、支払う税額ではありません。
ほかの財産と合わせて、基礎控除などを踏まえ、相続税を計算します。
非課税枠を使うときに間違えやすい3点
- 非課税枠は、保険会社や契約ごとに増えるものではありません。対象となる死亡保険金を合算して確認します。
- 「払い込んだ保険料」ではなく、「受け取る死亡保険金」を確認します。
- 相続人以外の受取人には、この非課税枠は適用されません。相続を放棄した人も、適用を受ける相続人には含まれません。
まずは既存の保険証券を見て、死亡保険金と受取人を確認しましょう。
すでに枠を使い切る見込みなら、新たな契約を増やしても非課税枠は増えません。
一時払い終身保険とは?相続に活用する理由
一時払い終身保険は、契約時に保険料をまとめて払い込み、一生涯の死亡保障を備える保険です。
相続の準備では、「家族に残す予定のお金の一部を死亡保障にする」という使い方が考えられます。
ただし、死亡保険金の非課税枠は、一時払い終身保険だけの特典ではありません。
すでに入っている生命保険も含めて、必要な保障額を考えます。
検討する意味があるのは、こんな場合
- 相続税がかかる見込みがあり、死亡保険金の非課税枠に余裕がある。
- 当面使う予定のない資金があり、家族に残す目的がはっきりしている。
- 自宅などの財産が多く、家族に現金を用意しておきたい。
- 誰に死亡保険金を受け取ってもらうか、決めておきたい。
死亡保険金の支払いには請求手続きや必要書類があります。
葬儀費用や納税資金を想定するなら、受取人が請求方法を把握していることも大切です。

契約したら安心、で終わりではないんだゾ!

保険証券の場所と連絡先まで、受け取る家族に伝えておこう。
一時払い終身保険を選ぶ前に確認したい4つのこと
親自身の生活費・医療費・介護費を残せるか
相続対策は、親が安心して暮らせることが前提です。
年金で不足する生活費、住宅の修繕費、医療費や介護費など、これから使うお金を先に見積もります。すぐ使える預金を残し、そのうえで家族に残す資金を考えましょう。
預金をすべて保険に移す必要はありません。
途中で解約したら、いくら戻るか
険は預金とは仕組みが違います。
解約返戻金が払込保険料を下回る時期があるか、設計書で確認してください。
「途中で使える」という説明だけでは判断できません。
契約1年後、3年後、5年後など、具体的な時点の返戻金額と手続きを聞くと、使いやすさが分かります。
契約者貸付を利用できる商品でも、借入れには利息や条件があります。
利用できるかどうかも含め、契約内容の確認が必要です。
円建てか外貨建てか、受取額の条件は何か
比較するときは、死亡保険金の数字だけでなく、保険料と保険金の通貨、保証される範囲、費用をそろえて見ます。
外貨建ての場合は、円で受け取る金額が為替相場によって変わることがあります。
家族に円でいくら残したいかを決めているなら、その希望に合うかを確認しましょう。
保険料を払う人・被保険者・受取人は誰か
死亡保険金にかかる税金は、実際の保険料負担者、被保険者、受取人の組み合わせで変わります。
この記事で説明する相続税の基本例は、親が保険料を負担し、親を被保険者として、相続人である子どもなどが死亡保険金を受け取る形です。
子どもが保険料を払うなど、組み合わせが異なると所得税や贈与税の対象になる場合があります。
名義だけでなく、誰のお金で保険料を払うかまで確認してください。
受取人の変更についても、必要な同意や手続き、契約上の条件を確認します。
生前贈与と生命保険は、目的に合わせて考える
生前贈与は、子どもなどに今お金を渡す方法です。生命保険は、死亡時に受取人へ保険金を届ける備えです。
| 方法 | 主な目的 | 確認したいこと |
| 預金で持つ | 親が必要なときに使う | 相続時の手続き、財産全体の税額 |
| 生前贈与 | 家族に今お金を渡す | 贈与税、相続税への加算、親の手元資金 |
| 生命保険 | 死亡時に家族へお金を残す | 非課税枠、受取人、解約時の条件 |
暦年課税の贈与は、相続などで財産を取得する人について、一定期間の贈与を相続税の計算に加算する仕組みがあります。
加算対象期間は段階的に延びます。
2026年までの相続開始は原則3年以内、2027~2030年は2024年1月1日から死亡日まで、2031年以降は原則7年以内です。
延長された部分には、合計100万円を加算しない取扱いもあります。
そのため、「7年以内の贈与はすべて意味がない」とは言えません。
今の生活を支援するための贈与と、将来の相続税対策は、目的を分けて考えましょう。
保険相談の前に、これだけ準備すると話が進みます
相談前に、次の5点をメモしておきましょう。
- 預貯金・不動産など、親の財産の一覧。
- 家族構成と、法定相続人になる人。
- 既存の保険の死亡保険金・受取人・保険料負担者。
- 親が生活のために手元に残したい金額。
- 誰に、何のためのお金を残したいか。
保険の見積もりを頼む際には、「新しく入る必要があるか、今の保険も含めて確認したい」と伝えると、比較する目的が明確になります。
具体的には、次の質問が役立ちます。
- 既存の保険を含めて、死亡保障はいくらありますか?
- 一時払い終身保険以外に、目的に合う方法はありますか?
- 途中で解約した場合の金額を、年ごとに見せてもらえますか?
- 保険料、死亡保険金、費用、受取条件を比較できますか?
- 相談料はかかりますか?どの保険会社の商品を扱っていますか?
財産の評価や具体的な相続税額は税理士に、保険商品の比較や契約条件は保険会社・保険代理店に確認すると、相談の目的がはっきりします。
今の保険が分からない方は、保険証券の整理から
相続のために新しい保険を考える前に、すでにある保障を確認しましょう。
保険証券を見るポイントや見直しの進め方は、こちらの記事でまとめています。
相談サービスを利用する場合も、確認したいことを準備してから申し込むと、自分に必要な説明を聞きやすくなります。
生命保険による相続対策は、今ある保障の確認から
生命保険は、条件が合えば相続税の非課税枠を活用し、家族にお金を残す方法になります。
最初にすることは、新しい商品を選ぶことではなく、相続税がかかる見込み、既存の死亡保障、親が手元に残す資金の確認です。
この3つを整理してから相談すれば、「わが家に一時払い終身保険が必要か」を具体的に考えられます。
※税制の説明は2026年10月確認時点の国税庁情報に基づきます。
個別の適用や税額は、家族構成・財産・契約内容によって異なります。



